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ものづくり、それはこころづくり。彼らが人生をかけたのは、メガネから見えるしあわせ。映画『おしょりん』は11/3(金)より全国順次公開。

Editing by Design Studio Paperweight INC

2023.10.30

日本の眼鏡の95%を生産する福井県。
メガネ工場をゼロから立ち上げた兄弟と、二人を信じ続けた妻の愛と感動の物語。

日本製メガネの95%は福井県で生産されている! その始まりは、明治時代のことだった。豪雪地帯のため冬は農作業ができず収入の道がなくなる村を助けようと、その地で生まれ育った増永五左衛門と幸八の兄弟が、全身全霊を注いだのだ。その史実をもとに、“ものづくり”の魅力と、実用品かつ装飾品でもあるメガネに渾身の技術と魂を吹き込む職人と、そんな彼らを支える家族を描く。

福井の魅力をすべて捉えた映像。
雪と緑と日本海が生み出す美しくも厳かな自然と、人々が大切に守ってきた貴重な日本家屋。

舞台となった福井県は、豊かな緑と清流に恵まれた山々や、日本海の荒波によって作られた壮大な景観で知られる。美しいが厳しくもある自然と共に生きるために、五穀豊穣を祈る祭りや文化が受け継がれ、人と人との絆も固い。そんな福井を映像として永遠に残すべく、ロケ地には多くの景勝地が選ばれた。

中でも特筆すべきは、まずは日本三大松原として知られる気比の松原。国の名勝にも指定され、夏は花火大会や灯籠流しで賑わい、冬は雪をまとった松林と荒れる日本海が幽玄な日本画のような景色を見せてくれる。

さらに越前西部に位置する昔ながらの農家である旧谷口家(住宅国指定重要文化財)、人絹王国とも呼ばれる福井の産業界をリードしてきた越前五箇の西野本家住宅(登録有形文化財)、北前船で賑わった三国港(三国湊)で材木商を営んだ新保屋・岸名惣助が代々住んでいた旧岸名邸(登録有形文化財)、県内に現存する鉄筋コンクリー ト造りの最古の建物で、外観のデザインは西欧調の旧森田銀行(登録有形文化財)、18世紀前後に建てられた豪農や庄屋などの古民家などが移築・復元されたおさごえ民家園(福井市指定文化財)など、貴重な建物群も見逃せない。

ものづくり、それはこころづくり。メガネが、彼らの〈せかい〉を変えた。
実力派俳優が今この時代に贈る夢と希望。

主人公のむめには、北乃きい。女性の自由が少なかった時代に、メガネづくりを成功させるという夢を見ることで、心の自由を手にした女性を生き生きと演じた。彼女が夫と義弟、職人たちを応援し続ける原動力が何なのかが明かされる時、観る者の心に温かな優しさが広がる。

増永兄弟の兄・五左衛門には、小泉孝太郎。頑固で不愛想だが、「庄屋の跡継ぎはみっともないことはするな」と厳しく育てられたためで、本当は好きなように生きる弟のことをうらやましく思っている五左衛門の心情のグラデーションを繊細に表現した。むめも初めは夫を冷たくも感じていたが、ここぞという時はすべての責任を背負う五左衛門を敬愛するようになる。
弟の幸八には、森崎ウィン。常に好奇心とポジティブな野心にあふれた、まっすぐで人懐こいチャーミングな幸八を体現した。
共演にも、かたせ梨乃、佐野史郎、東てる美、榎木孝明、駿河太郎と実力派がそろい、史実に基づいた物語にリアリティを与えた。ま た福井出身の津田寛治と高橋愛が、物語に深みを与える役どころで出演している。

監督は『えちてつ物語 ~わたし、故郷に帰ってきました。~』の児玉宜久。原作は藤岡陽子の小説「おしょりん」。

「おしょりん」とは、田畑を覆う雪が硬く凍った状態を指す福井の言葉。おしょりんになれば、回り道しないで好きなところへまっすぐ行ける。いくつになっても、どんな時む夢に向かって自由に突き進もうという想いが込められている。

彼らが人生をかけて取り組んだメガネづくりは、村の人々の生活を変え、日本のものづくりを “使う人のことを想う”豊かな仕事へと変えた。互いを信じた兄弟と妻の挑戦に勇気をもらう、愛と希望の物語。

STORY

時は明治37年、福井県足羽郡(あすわぐん)麻生(あそう)津村(づむら)(現・福井市麻生津)の庄屋の長男・増永五左衛門(小泉孝太郎)と結婚したむめ(北乃きい)は、育児と家事で忙しい日々を送っていた。

ある日、五左衛門の弟の幸八(森崎ウィン)が勤め先の大阪から帰郷し、村をあげてメガネ作りに取り組まないかと持ち掛ける。今はほとんど知られていないメガネだが、活字文化の普及で必ずや必需品になるというのだ。成功すれば、冬は収穫のない農家の人々の暮らしを助けることができる。
初めは反対していたが、視力の弱い子供がメガネをかけて大喜びする姿を見て、挑戦を決めた五左衛門は、村の人々を集めて工場を開く。

だが、苦労の末に仕上げたメガネが「売り物にならない」と卸問屋に突き返され、資金難から銀行の融資を受けるも厳しく返済を迫られ、兄弟は幾度となく挫折する。

そんな二人を信じ支え続けたのが、決して夢を諦めない強い心を持つむめだった。彼女に励まされた兄弟と職人たちは、“最後の賭け”に打って出る──。

 

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2023年11月3日(金)より全国順次公開

『おしょりん』(配給=KADOKAWA)

キャスト:北乃きい/森崎ウィン
駿河太郎/高橋愛/秋田汐梨/磯野貴理子/津田寛治/榎木孝明/東てる美/佐野史郎
かたせ梨乃/小泉孝太郎
監督:児玉宜久
原作:藤岡陽子「おしょりん」(ポプラ社)
脚本:関えり香/児玉宜久
エンディング曲:MORISAKI WIN「Dear」(日本コロムビア)
製作総指揮:新道忠志 プロデューサー:河合広栄 ラインプロデューサー:川口浩史 撮影:岸本正人 照明:桑原伸也
録音:林昭一 整音:瀬川徹夫 記録:目黒亜希子 編集:村上雅樹 
美術:黒瀧きみえ 装飾:鈴村高正 衣装:田中洋子 ヘアメイク:西村佳苗子 助監督:宮﨑剛 制作担当:相良晶
制作プロダクション:広栄/トロッコフィルム 製作:「おしょりん」制作委員会
2023年/120分/G/日本

 

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