Recipe
これほど春が待ち遠しい冬があったでしょうか。草木が芽吹き、桜の開花もあと少し。春らしいお寿司と吸物で、うららかな季節の訪れを待ちましょう。
Text by Hiroko Ochi×Photo by Design Studio Paperweight INC
ちらしずし
● すし飯用のご飯 <材料> ※2~3人分以下同
米………2合
昆布………5cm角1枚
酒………大さじ2
水………炊飯器の目盛に合わせる
● 合わせ酢
米酢………大さじ4
砂糖………大さじ2
塩………小さじ2/3
【Ⅰ】すし飯を作る <作り方>
- (1) 米は炊く30分前に洗い、ザルに上げて水気を切る。
- (2) 炊飯器に(1)の米と分量の酒、水を入れ、昆布をのせて炊く。
- (3) ご飯が炊き上がれば10分蒸らし、半切りに移す。
- (4) 合わせ酢の調味料を混ぜ合わせ、ご飯に回しかけ、木杓子で切るように混ぜる。
- (5) 半切り全体にご飯を広げて、人肌程度に冷ます。
● 椎茸の甘煮 <材料>
干し椎茸(冬菇。水につけて戻す)………大2枚
干し椎茸の戻し水………2/3カップ
酒………大さじ1
みりん………大さじ1
砂糖………大さじ2
しょうゆ………大さじ1 1/2
【Ⅱ】椎茸の甘煮を作る <作り方>
- (1) 戻した椎茸の軸を取り除き、5mm角に切る。
- (2) 小鍋に濃口しょうゆ以外の調味料と水を入れて、火にかける。
- (3) 沸いてきたら(1)の椎茸を加える。再び沸いてきたらアクを取り、弱火にして10分くらい煮る。
- (4) 次にしょうゆを加え、煮汁が少なくなるまで煮て、冷ます。冷めたら、かるく煮汁を搾る。
- ※香信などの肉薄の椎茸を使うときは、枚数を増やす。
● 錦糸卵 <材料>
卵………3個
塩………少量
サラダ油………少量
【Ⅲ】錦糸卵を作る <作り方>
- (1) 卵に塩少量を加えて溶きほぐす。
- (2) 玉子焼き器を火にかけ、薄くサラダ油をひいて卵液の1/3量を流す。卵液の表面が乾いてきたら裏返し、薄焼き卵を作る。
- (3) 冷めたら細切りにして、錦糸卵にする。
● 海老の甘酢漬け <材料>
海老………中6尾
米酢………大さじ2
水………大さじ2
砂糖………小さじ1/2
塩………少々
【Ⅳ】海老の甘酢漬けを作る <作り方>
- (1) 海老の背ワタを取って鍋に入れ、ヒタヒタの水を加えて火にかける。
- (2) 沸いてきたら火を止め、余熱で海老に火を通す。冷めたらカラをむく。
- (3) 分量の米酢、水、砂糖、塩を鍋に入れて火にかけ、沸いてきたら火を止め、冷ます。
- (4) (3)に海老を漬ける。
●菜の花 <材料>
菜の花………10~12本
だし………50cc
塩………ひとつまみ
【Ⅴ】菜の花を準備する <作り方>
- (1) 菜の花の蕾の部分から3cm長さ位に切る。菜の花の蕾を切った残りの軸は、和え物などに利用する。
- (2) (1)をさっと茹でて、分量の塩を混ぜただしに漬ける。
<材料>
● 焼き穴子………2尾
【Ⅵ】焼き穴子を切る <作り方>
- (1) 焼き穴子は2cm幅に切る。
<材料>
● 甘酢生姜(薄切り)………30g
● 甘酢生姜または紅生姜(飾り用)
【Ⅶ】甘酢生姜の準備をする <作り方>
- (1) 薄切りの甘酢生姜は荒めに刻む。
- (2) 飾り用の甘酢生姜または紅生姜は桜の花びら型に抜く。抜型が無ければ、細切りにする。
<材料>
●【Ⅰ】〜【Ⅶ】までの材料
● いりごま………大さじ2
● きざみ海苔………適宜
【Ⅷ】仕上げる <作り方>
- (1) 人肌程度のすし飯【Ⅰ】に甘煮の椎茸【Ⅱ】と刻んだ甘酢生姜【Ⅶ】、いりごまを混ぜる。
- (2) 器に具を混ぜたすし飯を盛ってきざみ海苔をふる。錦糸卵【Ⅲ】をちらして焼き穴子【Ⅵ】、甘酢漬けの海老【Ⅳ】、菜の花【Ⅴ】をのせ、花びら形に抜いた甘酢生姜【Ⅶ】、または紅生姜を飾る。
Recipe column
●ちらしずし
春のお寿司は卵をたっぷり使って、明るい色に。菜の花や花びらの形の甘酢生姜が季節感を醸し出してくれます。
玉子豆腐の吸物
<材料>2人分
だし………300cc
塩………小さじ1/4
淡口しょうゆ………小さじ1/4
菜の花(蕾から5cm長さ)………4本
人参(3mm厚さの輪切り)………2枚
● 玉子豆腐
卵………1個
だし………75cc
塩………ひとつまみ
<作り方>
- (1) だし75ccに塩ひとつまみ加え、溶いた卵と混ぜ合わせ、漉す。
- (2) 二つの湯のみの中にそれぞれラップをしき、(1)の卵液を1/2量ずつ流し入れ、ラップの上部を寄せてねじり、輪ゴムでくくる。
- (3) 沸いた湯の中に(2)を入れ、グラグラさせないように、静かに熱して卵液を固め、玉子豆腐を作る。出来上がったら水につけて、冷ます。
- (4) 菜の花をさっと茹で、水に漬けないで冷ます。
- (5) 人参は桜の花の抜型で抜き、茹でる。
- (6) だし300ccを温めて、分量の塩と淡口しょうゆで調味する。
- (7) 玉子豆腐のラップをはがし、椀に入れる。
- (8) 菜の花と人参を添えて、(6)のだしをはる。
Recipe column
● 玉子豆腐の吸物
お寿司と同じ食材を使って、お吸い物を。お椀の中にも春がいっぱい。時間がない時は、市販の玉子豆腐も…有りですね。
料理教室主宰・レシピ考案
越智裕子
大学卒業後、大阪あべの辻調理師学校に入学。卒業後、同校の学術出版部に奉職。
主として製菓、西洋料理の原稿を担当。
退職後、1995年から自宅キッチンにて料理教室を主宰、今に至る。
2000年から数年コープこうべカルチャーセンターにて講師を勤める。神戸在住。
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