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世の中から忘れられたアメリカの闇を描いた極上のクライムサスペンス。映画『ウインド・リバー』は7月27日(金)全国ロードショー。

Editing by Design Studio Paperweight INC

2018.08.12

『ボーダーライン』のテイラー・シェリダンがメガホンを執った圧倒的な緊迫感と
衝撃がみなぎるクライム・サスペンス!!

メキシコ国境地帯におけるアメリカの麻薬戦争の知られざる実態に迫った『ボーダーライン』。銀行強盗を繰り返す兄弟とそれを追うテキサス・レンジャーの攻防を通して、アメリカンドリームの衰退をあぶり出した『最後の追跡』。本作はそれに続く現代アメリカの辺境を描いた《フロンティア3部作》と呼ばれている。それぞれ舞台が異なる独立した作品ではあるが、共通して「社会的に追いやられた人々に光を」というテイラー・シェリダン監督のメッセージが込められている。
本作の舞台はネイティブアメリカンの保留地の一つ。閉鎖的な社会で頻発する女性の失踪や性犯罪被害に影響を受け、その信じがたい現状を告発した本作は、まさに今のアメリカに渦巻く闇を衝撃的なストーリー展開でえぐり出している。

孤高のハンターと新人捜査官の共闘を力強く演じる
ジェレミー・レナー×エリザベス・オルセン

ウインド・リバーの大地に根ざして生きる凄腕のハンターで、殺人事件の捜査に協力する主人公コリーを演じるのはジェレミー・レナー。『ハート・ロッカー』でアカデミー賞®賞主演男優賞にノミネートされ、『メッセージ』での好演も記憶に新しい実力派スターが、ストイックでありながら豊かな人間味を内に秘めたキャラクターをこのうえなく魅力的に体現し、キャリア最高の名演技を披露する。
 殺人捜査の経験をほとんど持たず、厳寒の山岳地帯に初めて足を踏み入れるジェーンに扮するのはエリザベス・オルセン。いかにも頼りなげに登場する新人捜査官が、いたいけな少女が犠牲となった悲劇的な事件に心を痛め、過酷な試練を乗り越えて成長していく姿が深い共感を誘う。くしくもレナーとオルセンは"マーベル・シネマティック・ユニバース"のホークアイ、スカーレット・ウィッチ役で共演経験があり、両者の新たな"共闘"が実現したことも大きな話題である。

 また、雪に閉ざされた大自然の風景をダイナミックに捉えた映像世界に荘厳な神秘性を吹き込む音楽を創出したのは、『ジェシー・ジェームズの暗殺』『最後の追跡』などのニック・ケイヴとウォーレン・エリス。『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』のベン・リチャードソン(撮影監督)、『アメリカン・スナイパー』でアカデミー賞®にノミネートされたゲイリー・D・ローチ(編集)らの一流スタッフの見事な仕事ぶりも見逃せない。

テイラー・シェリダン監督が語る、先住民保留地区ウインド・リバー

そこは、景色そのものが敵対者である荒々しい場所であり、中毒と殺人が癌よりも猛威を振るう。レイプが少女から大人の女性になるための儀式と捉えているような場所であり、法律が自然の法則に屈する。この一世紀の北米で、ほとんど変化のなかった場所は他にないだろう。この土地ほど、またその僅かな変化がこれほど苦しみに直結している場所も他にないだろう。

観る前に知っておきたい予備知識 —ネイティブアメリカンの歴史ー

19世紀初頭、『インディアン絶滅政策』が推し進められた。中でも有名なものに1838年のチェロキー族の強制移住『涙の旅路』がある。この強制移住は厳しい冬の時期に1,300kmもの陸路を徒歩で移動させるという過酷なものだったため、4人に1人が死亡したと言われる。19世紀末より政府による同化政策が進み言語をはじめとする地域文化が失われ、生き延びた者も混血が進み純血部族は激少し続けた。1960年代から70年代に掛けて「レッド・パワー運動」と呼ばれるインディアンの権利回復要求運動が生まれ注目を集めた。
現在では政府による一定の保護政策と社会保障制度が取られているものの、いったん破壊された民族アイデンティティの修復は難しく、多くのネイティブアメリカンが生きる目的を喪失してアルコールやギャンブルに耽溺するなど、深刻な社会問題となっている。

STORY
雪深いアメリカの、ネイティブアメリカンが追いやられた土地"ウインド・リバー"で見つかった少女の死体—。新人捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)が単身FBIから派遣されるが、慣れない雪山の厳しい条件により捜査は難航。ジェーンは地元のベテランハンターで、遺体の第一発見者であるコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)に協力を求め、共に事件を追うが、そこには思いもよらなかった結末が…。

2018年7月27日(金)より、全国ロードショー

『ウインド・リバー』(配給=KADOKAWA)

監督・脚本:テイラー・シェリダン
出演:ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ジョン・バーンサル、ギル・バーミンガム
提供:ハピネット、KADOKAWA
2017年度作品/アメリカ映画/カラー/上映時間107分/原題:『WIND RIVER』

 

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