Recipe
目も眩むような暑さ。疲れますね。こんな時は鰻の出番です。すし飯に甘酢生姜と山椒を利かせて鰻ちらしにしました。喉越しの良い赤出しジュレを添えて。
Text by Hiroko Ochi×Photo by Design Studio Paperweight INC
鰻ちらし
<材料>2人分
鰻のかば焼き………大1尾
すし飯………(下記参照)
●すし飯用のご飯
米………1合
水………炊飯器の1合の目盛りまで
昆布………3~4cm角1枚
●合わせ酢
米酢………大さじ2と1/3
砂糖………大さじ1
塩………小さじ1/3
●すし飯の具
甘酢生姜(市販品)………20g
煎りごま………小さじ2
山椒水煮(水気を切って)………小さじ2
●錦糸卵
卵………2個
塩………少々
サラダ油………適宜
山椒水煮(鰻にのせる分)………適宜
粉山椒(好みで)………適宜
<作り方>
- A【すし飯を作る】
- (1) 米を洗ってザルに上げ、水気を切る(約30分間)。
- (2) 炊飯器に(1)の米を移して1合の目盛りまで水を入れ、昆布をのせて炊く。
- (3) 合わせ酢の調味料をよく混ぜ合わせる。
- (4) ご飯が炊きあがったら昆布を取り除き、半切りに移して合わせ酢を回しかける。
- (5) ご飯をうちわであおぎながら、切るように混ぜる。人肌程度に冷ます。
- B【具の準備をしてすし飯に混ぜる】
- (1) 甘酢生姜を粗く刻む。
- (2) Aのすし飯に(1)と分量の煎りごま、山椒水煮を加え混ぜる【画像01】。
- C【錦糸卵をつくる】
- (1) ボウルに卵を割り入れて塩少々を加え、白身をほぐしてから、黄身とよく混ぜる。
- (2) 玉子焼き鍋またはフライパンを熱して、サラダ油を薄くひく。
- (3) (1)の卵を流し入れ、鍋又はフライパンを動かして薄くのばす。
- (4) 卵の表面がほぼ乾いたら、鍋と卵の間に箸を入れて卵を持ち上げ、裏返す【画像02】。
- (5) 焼けた卵を皿などの上にあけ、冷ます。
- (6) 冷めたら、細く切る。
- D【鰻の準備】
- (1) 鰻のかば焼きの表面のタレをキッチンペーパーでふき取る。
- (2) 頭と尾を切り落とし、3~4等分に切る。
- (3) 金網をコンロのゴトクの上において鰻の皮目を下にしてのせ、直火の中火にかけて焼く【画像03】。
皮目がしっかり焼けたら、火からおろす。(関東では鰻を蒸してから焼くので、この作業は不要かもしれません。) - (4) 残りの鰻のかば焼きを同様に焼く。
- (5) 鰻が冷めたら、一口大に切る。
- E【仕上げる】
- (1) 器にBの具入りのすし飯を、平らに円形に盛る。
- (2) 錦糸卵をちらす。
- (3) 鰻を並べ、鰻の上に山椒水煮をのせる【画像04】。好みで粉山椒を添える。
Recipe column
●鰻ちらし
お手頃価格で手に入る鰻のかば焼きは、皮が硬くてゴムのような食感のことが多いようです。これは鰻に火が通ってはいるものの、焼きが足りないのです。面倒がらずにひと手間かけて直火で皮を焼くと、グッと美味しくなります。ガスコンロのグリルを使用する場合は、しわを寄せて凹凸をつけたアルミ箔を網の上に乗せ、鰻の皮目を上にして置き、焼き目をつける。IHクッキングヒーターではできないので、ガスバーナーで代用を。
赤出しジュレ
<材料>2人分
だし………200cc
赤出し味噌………12~13g
板ゼラチン………4g
卵豆腐(市販品)………1個
アボカド………1/2個
<作り方>
- (1) 板ゼラチンを氷水につけて戻す。
- (2) だしを温め、沸騰直前で火を止める。
- (3) だしに赤出し味噌を溶いて漉し【画像01】、60℃くらいまで冷ます。
- (4) (3)に戻した板ゼラチンを溶かし、冷ます。
- (5) (4)を冷ましている間にアボカドの皮をむいて、1cm角に切る。
- (6) 卵豆腐も1cm角に切る。
- (7) 冷めた(4)をボウルに移し、氷水を入れたボウルにつけて、時々静かに混ぜながら冷やす【画像02】。
- (8) (7)がトロリと濃度がついたら、(5)(6)のアボカドと卵豆腐を加え混ぜる。この時飾り用のアボカドと卵豆腐を取り除けておく。
- (9) 器に(8)を2等分して入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
- (10) 固まったら、取り除けておいたアボカドと卵豆腐を飾る。
Recipe column
●赤出しジュレ
板ゼラチンは粉ゼラチンより純度が高いので、プロは板ゼラチンを使用しますが、粉ゼラチンでもかまいません。夏の水道水はぬるいので、板ゼラチンが溶け出さないように、氷水で戻します。味噌も赤味噌なら、赤出し味噌以外のものでも良いのです。仙台味噌などお奨めです。またジュレの実は茹でた枝豆や茹でてほぐしたささ身も美味しい。
料理教室主宰・レシピ考案
越智裕子
大学卒業後、大阪あべの辻調理師学校に入学。卒業後、同校の学術出版部に奉職。
主として製菓、西洋料理の原稿を担当。
退職後、1995年から自宅キッチンにて料理教室を主宰、今に至る。
2000年から数年コープこうべカルチャーセンターにて講師を勤める。神戸在住。
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